研修委員会

研修委員長のメッセージ


研修委員長 國澤宗厳
 会員事業所における2015年の障害者虐待事件を受け、山口県知的障害者福祉協会内の人権・倫理委員会による、会員施設・事業所従事者への意識調査や検証活動を行った結果、虐待要因の一つに、職員に対する研修の不足があげられました。ついては、その要因排除に対応すべく、2017年5月30日に本協会の定款変更を行い、専門部会として研修委員会が発足いたしました。
 研修委員会の役割としては、2017年6月30日に発行された「会員施設障害者虐待事件に係る検証活動等の報告書」の中にある、虐待の再発防止及び発生予防に向けた提言として、「権利擁護の内容を含む各職種及び経験年数別研修」を実施することになります。
 骨子として、職員の倫理観は最低でも、利用される方や保護者の方が求められるレベルまで達している必要がある為、人権擁護に対する意識向上に向けた人材育成に取り組みます。主には、「専門職を育てる」「心を育てる」「組織を育てる」ことに視点におく必要があると考えております。
 専門職を育てることに関しては、これから先の障害福祉の在り方を考えると、職員にはこれまで以上の専門的知識や技術が求められると感じております。地域共生社会の整備が進む一方で、重度の障害のある方の支援にも力を入れなければなりません。
 心を育てることに関しては、国の障害福祉制度を支えるため、第一線で職務に就いている職員の精神面のケアは欠かせません。また、それに耐えうる教育も必要であると考えます。
 組織を育てることについて重要性を感じることは、職場内の組織統制がうまく機能しているのか、ということです。特に現場を支えるリーダーがうまく機能していない場合には、職場内の人間関係や業務課題が放置され、それらのことが起因し虐待要因に結びついている様に思えます。
 現場で起こっている諸問題を敏感に感じ取り、チームの舵取りを行うことは現場リーダーの必須業務であり、このことがうまく機能することにより、良質な倫理観が育ち、それに伴い施設・事業所の質が向上し、結果的には利用される方への幸せにつながります。
 現在、会員施設・事業所においては、貴重な時間を活用して各機関で実施される研修を受講し、日々研鑽されていると思いますが、本研修委員会としましても、「誰のために必要とする研修なのか」を原点とし、現状と理想のギャップを埋める材料となる研修を目指したいと考えております。
 今後とも、会員施設・事業所皆様のご指導、ご協力をよろしくお願い致します。
 

研修委員会の委員名簿

2020年度研修委員会委員リストを公開します